「運用益が非課税」と「贈与が非課税」は別
NISAによる運用益の非課税は、親や祖父母から子へお金を渡すときの贈与税を、自動的に免除する仕組みではありません。こどもNISAの年間投資枠の範囲に収まっていても、それだけで贈与税の判断はできません。
制度の枠は財務省の解説(本文309〜310頁)、贈与税の原則は国税庁 No.4402で、それぞれ確認する必要があります。
暦年課税の110万円は、受け取る側の年間合計
国税庁は、暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までに贈与を受けた財産の価額の合計から、基礎控除110万円を差し引いて計算すると説明しています。これは、贈与する人それぞれに110万円の枠があるという意味ではありません。国税庁 No.4402「暦年課税」が根拠です。
親からの積立用のお金に加え、祖父母などから受け取った財産もある場合は、受け取る子の年間合計を確認します。投資用の入金だけを見て結論を出さないようにしましょう。
ここでは暦年課税の一般的な仕組みを扱っています。相続時精算課税の選択や、その他の特例、個別の契約・管理の事情を含めた判断は対象外です。
教育費なら、何に使っても非課税?
国税庁は、扶養義務者から受ける通常必要な生活費や教育費には、贈与税がかからない取扱いを示しています。ただし、必要になった都度、直接その費用に充てるものに限られます。国税庁 No.4405「贈与税がかからない財産」2を参照してください。
将来の教育費という名目で受け取ったお金でも、預金したり、投資に回したりする場合に、この教育費・生活費の非課税が自動的に適用されるわけではありません。今必要な授業料を払うお金と、将来へ向けて積み立てるお金を分けて考えます。
入金前に整理するメモ
以下は、税の適用を保証するチェックリストではなく、相談や確認のための整理です。
- 誰から、いつ、何のために受け取るお金か。
- その子が、その年にほかにも財産を受け取っているか。
- 教育費へ直接充てるのか、預金・投資で保有するのか。
- 税の扱いについて、確認が必要な事情がないか。
家庭のメモや口座番号、子どもの氏名などを当サイトへ送る必要はありません。個別の税務判断は税務署や税理士へ確認してください。
まだ断定しないこと
資金の実態や管理状況も含め、税理士等に確認してください。家庭ごとの契約、相続時精算課税の選択、他の特例を含む個別判断は、この記事では行いません。
「この積立額なら必ず贈与税がかからない」と一律の金額を案内することもありません。制度を使うときは、こどもNISAの投資枠と対象者を確認しつつ、お金を渡す側・受け取る側の税の扱いを別に確かめましょう。
この記事の一次資料
- 国税庁 No.4402「贈与税がかかる場合」
暦年課税の年間受贈合計と基礎控除。令和8年4月1日現在法令等。
- 国税庁 No.4405「贈与税がかからない場合」
扶養義務者間の教育費・生活費の非課税要件。令和8年4月1日現在法令等。
- 財務省「令和8年度税制改正の解説」
本文309〜317頁(PDF100〜108頁)。成立・公布は本文212頁。
確認日:2026年9月30日。出典・更新方針
更新履歴
初稿作成。一次資料との照合と別担当による事実確認を実施。出典で直接確認できない財産帰属の断定を避け、個別確認の案内へ修正。